2012 年 66 巻 1 号 p. 197-204
本研究ではカルシウムアルミネート系水和物を考慮したセメント硬化体の比表面積の推定方法の検討を目的とし、合成アルミネート相を用いて水和反応の検討を行い、カルシウムアルミネート系水和物の影響を考慮したセメント硬化体全体の比表面積の推定を行った。その結果、C3AH6生成量とアルミネート相の反応率には水結合材比によらず一定の関係があることがわかった。また、セメント硬化体中のカルシウムアルミネート系水和物の比表面積の推定では、アルミネート相の反応率とC3AH6生成量のみを把握すればよいことを明らかにし、各水和物を定量した場合と同等の精度でセメント硬化体全体の比表面積を推定することが可能となった。