コンクリートを硫酸に浸漬した場合、硫酸浸漬期間と硫酸濃度の積と侵食深さの間には、線形関係が成り立つ。この関係が明らかなモルタルを硫酸環境で曝露し、一定期間で侵食された深さが分かれば、見かけの硫酸濃度を推定することが可能である。そのためには、硫酸浸漬期間と硫酸濃度の積と侵食深さの関係が材齢による変化の小さいものを用いることが重要である。本研究では、使用材料、配合および養生方法が、モルタル等の硫酸による侵食速度に及ぼす影響を調べ、硫酸の濃度推定に適切なモルタルについて検討を行った。その結果、細骨材に砂岩砕砂を用いたモルタルで、脱型後28日以上水中で養生を行うことが望ましいことが分かった。