セメント産業はエネルギー多消費型産業であり、環境面等の観点から省エネルギー技術の開発が求められている。本研究では、鉱物組成の調整によるクリンカーの焼成温度低減を目的として各鉱物の易焼成および強度発現性を検討した。その結果、各鉱物が易焼成に与える影響はC4AF>C3A>C2S>C3Sであることを確認した。また、C3Sを固定し、C4AFを増加させ、その代わりにC2Sを減らすことで、1,350℃焼成した場合においても易焼成および強度発現性を維持できることがわかった。この結果から鉱物組成の調整において現行よりもクリンカー焼成温度を100℃程度低減できる可能性が確認された。