セメント・コンクリート論文集
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コンクリートの試験・評価
固体27Al NMRによるエトリンガイトの新規定量方法
金橋 康二相本 道宏
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2012 年 66 巻 1 号 p. 266-272

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抄録

無機酸化物材料中のエトリンガイト(3CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2O)を、固体27Al NMRを用いて定量する新たな方法を確立した。27Al核は四極子核(I=5/2)であるが、エトリンガイト分子中のAl周りの対称性が良いため、非常に先鋭な6配位Alピークを示した。また、NMRの静磁場強度や試料回転周波数を最適化することによって、エトリンガイトのピークをマトリクス(高炉スラグ)由来の4配位Alピークから完全に分離できるため、適当な内標準物質(例えば硫酸カリウムアルミニウム12水和物)と共存させることによって、エトリンガイトの迅速な定量が可能となった。さらに、測定対象となるマトリクスの種類によらず、本手法が高い定量精度を持つことを実証した。

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