水銀圧入法に代わる細孔構造の測定方法として、サーモポロメトリーに注目し、細孔中で凍結した水とシクロヘキサンの融解挙動について検討を行うとともに、セメント硬化体の細孔構造を測定する方法として、水とシクロヘキサンのそれぞれの測定結果を組み合わせる方法を水銀圧入法と比較し、提案した。異なる細孔を有する多孔質シリカを用いた検討により、15nm未満の細孔半径の測定には、溶媒として水が、それ以上の細孔半径にはシクロヘキサンが適していることを見出し、双方の測定結果を組み合わせる方法によりセメント硬化体の細孔の解析が可能であることを示した。また、硫酸の侵食により脆弱化した硬化体の細孔の測定例を示した。