2012 年 66 巻 1 号 p. 460-465
寒冷地においては、高炉セメントの利用普及が進んでいない。セメント産業における二酸化炭素排出の観点から、今後は寒冷地においても積極的に高炉セメントを始めとする混合セメントの利用推進を図る必要がある。本研究では、高炉スラグ微粉末の置換率が異なるセメント硬化体の凍結融解作用下における細孔構造および塩分浸透性状に及ぼす影響を把握することを目的とした。その結果、高炉スラグ微粉末を混入したセメント硬化体は凍結融解作用下においても長期的に組織の緻密化および塩化物イオンの高い固定化能力を有しており、寒冷地においても高炉スラグ微粉末の有効性を発揮できることが示された。