セメント・コンクリート論文集
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繊維補強コンクリート
長さの異なるビニロン短繊維を併用した繊維補強ポーラスコンクリートの圧縮及び曲げ性状
十文字 拓也齋藤 俊克出村 克宣
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2012 年 66 巻 1 号 p. 537-544

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抄録

本研究では、粗骨材最大寸法を20mmとし、長さ30及び40mmのビニロン短繊維を併用した繊維補強ポーラスコンクリートの圧縮及び曲げ強度、静弾性係数並びに曲げタフネスについて検討している。その結果、短繊維の併用効果は圧縮強度についてはほとんど認められないが、その静弾性係数、曲げ強度及び曲げタフネスについては、繊維混入率0.3又は1.0%とした場合、若干認められる。本研究の限りでは、繊維補強ポーラスコンクリートの力学的性質に及ぼす、粗骨材間を架橋するほどの長さを持つビニロン短繊維の併用効果は、使用する粗骨材の粒度組成、繊維混入率、空隙率の変化に伴う結合材としてのセメントモルタル量に複雑に影響されることが示唆される。

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© 一般社団法人セメント協会
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