セメント・コンクリート論文集
Online ISSN : 2187-3313
Print ISSN : 0916-3182
ISSN-L : 0916-3182
セメント化学
分散剤の化学構造と炭酸カルシウム粒子表面の吸着サイトが分散剤の吸着挙動に及ぼす影響
森田 大志後藤 卓名和 豊春
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 66 巻 1 号 p. 55-62

詳細
抄録

化学構造の異なるポリカルボン酸系分散剤(以下、PC)の炭酸カルシウム(以下、CC)への吸着挙動をCC表面のカチオンサイト(>CO3Caサイトおよび>CaOH2サイト)密度に着目して調べた。Ca(NO32の添加によりカチオンサイト密度を変えたCCの懸濁液を用いてPCの吸着量Adの変化を測定した。一方、CCの表面錯体反応を考慮することで、実験に用いた溶媒条件におけるカチオンサイト密度を理論的に計算した。Adの測定値とカチオンサイト密度の計算値との比較を行った結果、PCの飽和吸着時においてPC1分子が占有する面積内に存在するカチオンサイト数Nはカチオンサイト密度に因らず一定と推定された。またNとPCの分子構造には相関が見られ、NはPCの主鎖長に比例する結果となった。

著者関連情報
© 一般社団法人セメント協会
前の記事 次の記事
feedback
Top