セメント・コンクリート論文集
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セメント化学
C-S-H構造形成における水和シリケートモノマーの役割─29Si MAS NMRと2H NMRによる考察
黒澤 利仁湊 大輔名和 豊春服部 廉太
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2012 年 66 巻 1 号 p. 63-70

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抄録

本研究ではXRD/Rietveld法および29Si MAS-NMRを併用することによるintermediate phaseの定量法を用いて、セメント水和反応過程における水和シリケートモノマーの役割を検討した。水和シリケートモノマーは養生条件により変化し、水中養生においてカルシウムシリケート鉱物の溶解率40%から約30%に保持されることが示された。また、保持された水和シリケートモノマーは高湿度湿空養生や高温養生によりC-S-Hに遷移し、C-S-Hの平均鎖長が増加することが示された。2H NMRの測定によるセメント細孔中の準吸着水層の水層厚さの検討により、細孔内の乾燥により水和シリケートモノマーの遷移が促進される可能性が示唆された。

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© 一般社団法人セメント協会
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