2012 年 66 巻 1 号 p. 622-628
本研究では、造船所において多量に排出される鉄溶接スラグの有効利用を目的に、それを骨材として用いたコンクリートの圧縮特性および有害物質溶出量、鉄溶接スラグ骨材コンクリートを適用したコンクリート二次製品の曲げ性能について実験的検討を行った。得られた主な知見は、以下の通りである。①粗骨材の70%を鉄溶接スラグに置換したコンクリートにおいて、目標値を満足する圧縮強度が得られ、尚且つその有害物質溶出量も土壌環境基準値以下であることが判った。②粗骨材の60~80%を鉄溶接スラグに置換したコンクリート二次製品は、ベースコンクリートを用いた場合と比較して遜色ない曲げ性能を有していることが実験的に確認された。