2012 年 66 巻 1 号 p. 615-621
高い発電効率を持つ石炭ガス化複合発電では、石炭灰がガラス状の石炭ガス化溶融スラグとして排出される。本研究は、石炭ガス化溶融スラグのコンクリート用細骨材への適用性について検討を行った。試験では、排出されたままの未処理スラグと磨砕処理を行った磨砕スラグの2種類を用いた。試験結果より、スラグを磨砕することで細骨材としての物理的性質は向上し、特にスラグ全体の粒度、粒形が改善されることが分かった。本研究で使用した2種類のスラグでは、置換率25%程度であればコンクリートの練上がり状態および強度特性に対して大きな影響は及ぼさなかったが、空気量はスラグの種類や置換率に関わらず、約1%の低い値を示した。