セメント・コンクリート論文集
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セメント硬化体・モルタルの物性
高温炭酸化処理した膨張材を混和したモルタルの物性と水和反応解析
樋口 隆行江口 政孝盛岡 実坂井 悦郎
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2013 年 67 巻 1 号 p. 129-136

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抄録

エトリンガイト石灰複合型膨張材を高温炭酸ガスで処理し、モルタルに混和して物性を評価した。モルタルの膨張ひずみは、未処理に比べ材齢1日まで小さくなったが、材齢1日以降に大きくなり、材齢7日では未処理品に対して23%増加した。水和反応解析の結果、注水から約6時間、膨張材の水和が抑制され、特に遊離石灰の反応が抑制された。材齢6時間以降の遊離石灰の反応率は未処理品と同程度であった。高温炭酸化処理に伴い、カルサイト含有量が増加し、カルサイトは遊離石灰の表面に厚さ約0.2μmの被膜として生成した。セメントの水和組織が形成される前に反応する遊離石灰が減り、膨張に寄与する割合が増え、膨張ひずみが増加することが示唆された。

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