セメント製造工程では原燃料として廃棄物が使用されているが、廃棄物由来の少量成分がクリンカー中に持ち込まれると、クリンカーの鉱物組成やセメントの物性に影響を及ぼすことが予想される。本研究では、TiO2とMnOの含有量の異なる原料を焼成して検討を行った。その結果、TiO2とMnOがクリンカーの鉱物組成に及ぼす影響はシリケート相では同様の傾向を示し、間隙相では逆の傾向を示すことがわかった。セメントの強度発現性に及ぼす影響はTiO2およびMnOを含有することによるエーライト量の変化で概ね整理でき、流動性に及ぼす影響はアルミネート量の変化で整理できることがわかった。