2013 年 67 巻 1 号 p. 333-339
下水道施設では硫酸によるコンクリートの劣化が問題となっている。耐硫酸性を有する補修材料としてアルミナセメントとポリマーエマルションの複合化機構について検討を行うとともに、硫酸と塩酸に対する耐久性の評価を行った。3種のポリマーエマルションを混和したところ、セメント粒子への吸着量が少ないエマルションを混和した場合に、水和の遅延が少なく、耐酸性が向上した。EPMAにより、このポリマーセメントでは、セメント粒子表面ではなく、水和生成物間にエマルションが濃縮していた。