小片凍結融解試験法は、スケーリング劣化の早期判定が可能であり、小型供試体を使用するため、供試体の状況をそのまま観察できるという有効性がある。本研究では、小片凍結融解試験法の改良を行ったうえで、11種の凍結防止剤を用い、それぞれの濃度(1、3、6mass%)において、スケーリング劣化に及ぼす影響を検討した。マグネシウムを含む凍結防止剤を使用した場合、他の凍結防止剤に比べて、スケーリング劣化は小さい。この原因は、硬化体表面に新たに水酸化マグネシウムが析出し、スケーリングの保護層の役割を果たすことによると判明した。