セメント・コンクリート論文集
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コンクリートの試験・評価
異なる定着方法のカップラー接合具により垂直接合したRC部材の力学的性状
飯塚 豊辻 幸和森田 俊哉岡野 素之
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2014 年 68 巻 1 号 p. 260-267

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抄録

実物のプレキャスト部材同士を鋳鉄製カップラー接合具を用いて垂直に接合した効果を、接合部材の力学的性状に基づいて検討した。主要因は底版におけるアンカー鉄筋の定着方法および隅角部に設置した補強プレートの配置位置と形状寸法である。アンカー鉄筋の定着長を35D採って底版に折り曲げたすべての定着方法では、補強プレートの配置位置と形状寸法にかかわらず一体型供試体と同程度以上の耐力を持たせることは難しかった。折り曲げずに垂直に下ろしてプレートで定着させた方法では同程度以上の耐力を示した。分割型供試体の接合面での開口幅は主に曲げひび割れ幅であり、一体型供試体よりも大きくなった。なおアンカー鉄筋は接合面で降伏した後に接合部材は破壊し、定着長は十分であった。

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