抄録
アミノ酸の一種であるアルギニンを混入したコンクリートは、海洋環境においてコンクリート表面への藻類の付着が促進され、魚類等の生物生息環境が改善できることが報告されている。本研究では海洋コンクリート構造物への適用を想定し、アルギニン混入コンクリートを用いた鉄筋コンクリートの塩害抵抗性を検討するため、塩水噴霧試験、海洋暴露実験とモルタル細孔溶液の化学分析を実施した。この結果、アルギニンを添加することによってモルタル細孔溶液中のCl-/OH-モル比が減少し、コンクリート中の鉄筋腐食が抑制される傾向を示した。