抄録
セメントペースト中での重金属の挙動は重金属試薬をセメントペーストに練り混ぜ、単一の重金属のみで評価されることが多いが、実際にコンクリート中に重金属が混入する場合は複数の重金属が様々な化合物を形成し存在するものと考えられる。本研究では重金属の混入を溶融飛灰によって模擬し、逐次抽出法によりセメントペースト中に存在する重金属を溶出可能性画分、難溶性画分の2つに分画した。溶融飛灰中に水溶性として存在していた銅、亜鉛の溶出可能性画分に変化はなかったが、その多くはセメント硬化体内においてより溶出リスクの低い酸可溶性画分に分類される形態をとって存在することが明らかとなった。