抄録
本研究ではXRD-Rietveld法および29Si NMR法を用いてエーライト(C3S)の水和反応におけるHydrated silicate monomer(HM)生成量を求め、Livingstonらが報告した共鳴核反応解析によるシリケートイオンの深さ方向の分布との関係について検討を行い、HMは表層近傍のCaが溶脱したシリケートゲル中のシリケートイオンであることを明らかにした。また、相平衡論からHMの存在形態を考察し、溶脱層の存在を示すとともに、CaCl2を添加したC3Sの水和挙動においてHMの急激な変化がC3S水和の加速期の開始点と一致していることを示し、ナノオーダーの保護膜の存在を裏付ける結果を示した。