セメント・コンクリート論文集
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セメント硬化体・モルタルの物性
無機電解質溶液がセメント硬化体の電気伝導性に及ぼす影響
胡桃澤 清文名和 豊春
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2015 年 69 巻 1 号 p. 207-213

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抄録

コンクリート中の物質移動特性の非破壊検査手法として比抵抗測定法があげられる。しかし、細孔内溶液組成が比抵抗測定結果に及ぼす影響は明らかではない。そこで本研究では各種電解質溶液を練混ぜ水として作製した硬化セメントペーストを用いて検討を行った結果、水銀圧入法によって得られた総空隙量と塩化物イオンのみかけの拡散係数の相関は低かった。一方、ACインピーダンス法によって得られた硬化セメントペーストの電気伝導率と塩化物イオンのみかけの拡散係数は線形関係にあることが示された。このことから細孔構造及び細孔内溶液組成が異なる場合においても、電気伝導率測定によって塩化物イオンの拡散係数の推定を行うことが可能であることが示された。

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© 一般社団法人セメント協会
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