2015 年 69 巻 1 号 p. 411-416
クリンカ細骨材を用いたモルタルに高炉スラグ微粉末と高エーライトセメントを使用することで、より緻密で化学的侵食に対する抵抗性を向上させることを検討した。その結果、高炉スラグ微粉末を用いた場合には、圧縮強度の発現に優れ、組織構造が緻密になり、C-S-Hがより多く生成されることで、塩酸浸漬における侵食抵抗性に優れることが分かった。また、クリンカ細骨材を細骨材から全量置換した本研究の実験条件において、材齢経過後に微細ひび割れの発生を確認し、その原因がクリンカ細骨材中に含まれる遊離石灰の膨張反応である可能性を指摘した。