セメント・コンクリート論文集
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セメント化学
27Al MAS-NMR及びXRD・Rietveld法を用いたC3A-Gypsum-Portlandite系の水和反応解析
梶尾 知広植田 晃平名和 豊春森永 祐加
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2016 年 70 巻 1 号 p. 111-118

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抄録

本研究ではC3A-Gypsum-Ca(OH)2系での水和反応について、XRD・Rietveld解析と27Al MAS-NMR測定を組み合わせることにより、非晶質物質中の化合物組成を明らかにし全水和生成物の定量を行った。27Al MAS-NMR測定におけるC3A水和試料のスペクトル分離には、合成C4AH13のNMRスペクトルより得た化学シフトを用いた。XRD及びNMRにより求めた非晶質物質中の化合物組成が、物質収支法により算出したものと概ね一致したことから、本研究で用いた水和生成物の定量方法が妥当であると示された。また、定量の結果、本系における水和試料は非晶質のC4AH13やMonosulfate、Ettringiteが約60~70mass%を占め、中でもC4AH13が非晶質物質全体の約40~80mass%という高い割合を示すことが確認された。

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