シリカフュームを混入したセメントペーストにおいて、反射電子像から観察される粗大な毛細管空隙の空間構造に及ぼす養生温度の影響を空間統計量の変化から論じた。その結果、低温養生および標準養生の場合には、経時的に均質化するように粗大毛細管空隙構造は変化するのに対して、高温養生ではその空間分布はより不均質になる。また、普通セメントペーストに比べてシリカフュームを混入した方が、より径の大きな空隙が離散的に残存して、粗大毛細管空隙の空間分布の不均質性は拡大するが、その一方で粗大な空隙間の組織は緻密化していることが示唆された。