2016 年 70 巻 1 号 p. 193-200
複合物質の電場に対する周波数応答を利用した非破壊内部解析法である誘電緩和測定をコンクリートに適用し、粗骨材に接する細孔溶液やセメントマトリクスの誘・導電特性を変化させた試験体の電気容量とコンダクタンスの測定を行った。この結果から各パラメータと応答周波数域の相関を明らかにし、粗骨材界面に形成されるキャパシタの評価を試みた。モルタル試験体とコンクリート試験体の電気容量とコンダクタンスの比較から、誘電緩和に及ぼす粗骨材の影響を定性的に示し、粗骨材/セメントマトリクス界面とセメントマトリクス内部のそれぞれにキャパシタが形成されることを示した。