セメント・コンクリート論文集
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セメント化学
基材に用いたセメントの特性がフライアッシュセメントの強度発現性に及ぼす影響
安藝 朋子久我 龍一郎平尾 宙坂井 悦郎
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2016 年 70 巻 1 号 p. 32-39

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抄録

鉱物組成および粉末度の異なるセメントに石灰石微粉末を添加したセメントを基材として調製した。これらのセメントを用いたフライアッシュセメントの圧縮強さおよび凝結時間の評価と水和解析を行った。エーライトやフリーライムが多く、粉末度の大きいセメントを用いることで主にエーライトの水和が促進され、初期強度が増進した。石灰石微粉末の添加によりフライアッシュの反応率が増加し、特に長期強度が増進した。結果として粉末度、エーライト、フリーライム、および石灰石微粉末を適量増加した基材を用いたフライアッシュセメントは、基材の設計変更のみで普通ポルトランドセメントと同等の強さおよび凝結時間を発現した。

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© 一般社団法人セメント協会
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