干満部を想定し、吸水に伴う塩化物イオンのモルタルへの浸透性状について実験的に検討した。その結果、6時間毎の乾湿繰返しで試験体内部(本研究では6cm程度以深)の飽和度が低い場合、塩化物イオンは液状水の移動に伴ってモルタルへ浸透する、すなわち移流の影響が大きいことが明らかとなった。また、連続塩水吸水環境では、水セメント比0.4および0.5で初期飽和度が低い場合は、塩化物イオンは移流によってモルタルへ浸透するが、水セメント比0.5で初期飽和度が高い場合や、水セメント比0.6の場合は、移流に比べて塩化物イオンの浸透が抑制される場合と促進される場合が観察された。