2017 年 71 巻 1 号 p. 197-203
カルシウムアルミネートの一種であるCaO・Al2O3を骨材として使用したセメント硬化体について、基礎物性および簡易透水試験による物質浸透性の検証を行った。その結果、CaO・Al2O3骨材を用いたコンクリートの強度特性とコンクリートの吸水特性とには相関が認められず、CaO・Al2O3骨材表面部の反応により生成するハイドロカルマイトやフリーデル氏塩の生成量が物質浸透性に関係している可能性が示唆された。また、SEM-EDSの結果からも、天然粗骨材を用いたコンクリートと比較して、CA骨材を用いたコンクリートでは骨材界面が密実となっており、CA骨材の外部と内部とでは異なる水和物が生成している可能性が示唆された。