2017 年 71 巻 1 号 p. 264-271
本研究は、静置時および振動締固め時のモルタルおよびコンクリートの粘性評価について検討した。静置時の粘性評価では、ランキンの主働土圧とビンガムモデルを用いてスランプフローの変形を物理的に解釈することで、塑性粘度と降伏応力を算出する手法を提案した結果、変形時間が著しく短い場合を除き、適切に静置時のモルタルの粘性を評価できると考えられる。振動締固め時の変形の駆動力と抵抗力を考慮することで、振動締固め時の塑性粘度を評価する手法を提案した。本手法により、水セメント比と単位セメントペースト質量当たりの骨材総表面積が同じモルタルとコンクリートは、振動締固め時の塑性粘度が概ね同等になることがわかった。