本研究では、複数の配合・養生条件にて作製し、屋外に暴露した供試体を対象に、継続的に表層透気試験を実施することで、実環境に置かれたコンクリートの表層透気係数に及ぼす養生および配合の長期的な影響の把握を試みた。その結果、脱型時期や養生による表層透気係数の差は時間の経過とともに減少し、少なくとも脱型から約1年で明確な差は見られなくなった。養生によって初期の含水率は大きく異なるが、材齢の経過に伴い含水率や水和反応の進行程度の差が小さくなることに起因すると考察した。一方、水セメント比による影響は長期的であり、今回の検討の範囲内では少なくとも材齢5年6ヵ月の時点でも影響が残存することを確認した。