2017 年 71 巻 1 号 p. 440-447
反応性骨材を使用し、アルカリを添加したフライアッシュ混入の有無による2種類のPC桁を作製し、屋外暴露試験を行った。さらに暴露後のPC桁からコアを採取して促進膨張試験(促進環境はASTM C 1260)を行った。その結果、屋外暴露の段階ではフライアッシュはASRを充分に抑制したが、その後の促進膨張試験では顕著なASRを生じた。偏光顕微鏡観察の結果、アルカリが内在する状態の暴露試験ではフライアッシュはASRを十分に抑制したが、このときに生じた微細なひび割れから1N・NaOH溶液が浸入し、外来アルカリに対する組織緻密化による浸透抑制効果が得られなかった。なお、組織観察から得られたひび割れ長さ密度が増加すると、超音波伝播速度は低下した。