サーモポロメトリーは空隙内部の水の凍結融解時に発生する熱量からセメント硬化体の空隙量を推定するものであり、著者らは少量の試料によって測定を行ってきたが本研究ではバルク試料に対してサーモポロメトリーの適用を行った。その結果、少量のサンプルでは測定できていなかったピークを検出でき、高炉スラグ混和による空隙の小径化を明らかにすることができた。また、塩化物イオンの拡散や電気伝導率に及ぼす空隙構造の影響は、サーモポロメトリーの凍結過程における-30℃までに凍結する水量と相関があることが示され、特に塩化物イオンの拡散係数とは非常に高い相関関係を示した。