セメント・コンクリート論文集
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環境・リサイクル
高炉スラグ微粉末を結合材とするクリンカフリーグラウト材の基礎物性とそのサンゴ移植技術への適用可能性
渋谷 颯志郎山口 信森島 慎太郎藤澤 礼至
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2020 年 74 巻 1 号 p. 341-348

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抄録

土砂の流入等が生じている海域から別の海域へサンゴを移植する技術の一つとして、水中不分離性グラウト材を用いてサンゴ断片を海底に固定する技術に着目した。pHの面で海洋環境に変化が生じることを避けるためクリンカフリーとし、高炉スラグ微粉末を結合材としたグラウト材の基礎物性について調べるとともに、同グラウト材にサンゴ断片を移植した試験体を実海域に沈設して本技術の有効性を検証した。その結果、①本グラウト材を海水中で充填しても海水のpHがほとんど上昇しないこと、②海水中で充填したグラウト材の圧縮強度は気中で充填した場合と概ね同等であること、③本グラウト材に移植したサンゴに概ね良好な成育が認められること等を確認した。

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