C4AFの水和反応に対する混和剤の分子構造活性相関について把握する目的で、混和剤による金属イオンとの錯形成能やC4AFからのFeとAlの溶出度を評価した。その結果、錯形成能、溶出度と混和剤の官能基の種類、数、及び結合長との関連性を見出した。また、量子化学計算によりFe3+と混和剤による錯体の安定度を調べ、C4AFの反応を阻害するFeゲルの溶解に適した化合物の提案に至った。これら結果に基づき、5種の混和剤においてC4AF、並びにセメントの水和反応に及ぼす影響を調べた。FeとAlの溶出度が高い混和剤はC4AFの反応速度が速まり、加えて、C3Sの反応を遅延しない混和剤は、圧縮強さの向上が確認された。