圧電材料における載荷に伴う発電現象(電位変動)については弾性ひずみとの相関が知られており、セメント系材料においても圧電効果として報告されている。しかし、弾塑性体であるセメント系材料では、系全体では弾性であっても局所的には塑性化している場合や、載荷初期から遷移帯ひび割れが生じている場合があり、電位変動に影響すると考えられる。本報では、ミクロな破壊が電位変動に及ぼす影響について検討するため、破壊の起点となる遷移帯の有無をパラメータとして、ひずみとの相関に関する繰返し載荷実験を行った。得られた電位波形から、セメント系材料における電位変動はせん断界面での電荷の生成と再結合に起因すると仮定し、コンデンサとコンダクタンスで構成される過渡現象モデルを提案した。