2022 年 76 巻 1 号 p. 537-544
本研究では、Ca/Si比2.0のC-S-Hの添加率と炭酸化が水和促進効果に与える影響を確認すべく、錯体重合法を基に合成したCa/Si比2.0のC-S-Hとその炭酸化試料を、割合を変えてC3Sに添加した。比較対象としてCa/Si比や構造の異なるC-S-Hを添加した試料も作製し、造核効果の観点から考察した。その結果、Ca/Si比2.0のC-S-Hを添加した条件でのみ誘導期が見られず、添加率10%ではC3S単体水和時よりも加速期が半分以下の4時間半に短縮された。また、いずれの造核剤も炭酸化によって比表面積は増大し粒径は小さくなるものの、炭酸化前よりも水和促進効果が劣る傾向が示された。この結果は、C-S-Hの水和促進効果がSi鎖末端であるシラノール基に起因するというGartnerの主張を支持するものである。