2022 年 76 巻 1 号 p. 92-100
高炉水砕スラグ(BFS)の反応は、アルカリ刺激材やせっこうの添加量で大きく変わることが知られるが、促進剤併用時のこれらの変化を研究した例は少ない。本研究では、水酸化カルシウム(CH)を刺激材に使用し、その添加量を変えたBFSの水和反応性に及ぼすせっこう(Gyp)と亜硝酸カルシウム(CN)の併用効果を検討した。その結果、BFSの反応制御に関する次の知見が得られた。CH0.5~1%と極少量の範囲では、CN単独での促進効果は発揮されず、Gypを配合することで顕著な効果が得られた。また、CNの過剰添加はBFSの長期的な反応を抑制するため、BFSの反応を最大化するにはCNの適量添加が重要であった。