セメント・コンクリート論文集
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セメント化学
高炉スラグ高含有セメントの水和生成物に及ぼす石灰石微粉末の影響
坂井 悦郎植田 由紀子梅津 真見子二戸 信和
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2022 年 76 巻 1 号 p. 84-91

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抄録

CO2削減対策としての普通ポルトランドセメントの少量混合成分の増加を考慮して、高炉スラグ高含有セメント(HVBFSC)の初期水和生成物や強度に及ぼす石灰石微粉末(LSP)の影響を検討した。TiO2とMnOを考慮した改良塩基度(F値)が大きいBFSは反応性が高い。HVBFSCの圧縮強さやBFSの活性度指数は、LSPが添加された場合も、BFSのF値で推定できる。F値が大きく、反応性の高いBFSを用いるとHVBFSCの初期の水和生成物としてモノサルフェート(AFm)が増加するが、LSPの添加によりエトリンガイト(AFt)が主に生成した。LSP無添加の場合には、硬化したHVBFSCのC-S-HのCa/Si比は1.34~1.39であり、LSPを添加した場合に、C-S-HのCa/Si比は1.38~1.50に増加する。

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