本研究は、アルカリシリカ反応(ASR)による生成物の形成に合成温度および乾燥条件が及ぼす影響を明らかにすることを目的として反応期間28日でASR生成物を合成し、生成物および原子結合状態、加熱脱水挙動を評価した。その結果、80℃までの範囲では合成温度の上昇に伴い、実構造物において形成されているものと類似性の高い非晶質のASR生成物(ASRゲル(I))が形成されやすくなった。一方、乾燥条件が異なる場合、FT-IRスペクトルにおいてASRゲル(I)の構造中のSi-O振動のピーク位置に変化が認められた。加熱脱水挙動と併せて考察すると、乾燥の進行に伴いASRゲル(I)構造中の水分が逸散し、Si-O結合の状態や結合距離が変化したと考えられた。