2023 年 77 巻 1 号 p. 145-152
低温環境における初期強度の向上を目的として、原料中のFe2O3に対するAl2O3の比率(鉄率:IM)を高めることによりC3A量を増加させた早強型のセメントを電気炉および小型ロータリーキルンで試製した。低温環境における初期強度発現性をモルタルおよびコンクリートで評価し、強度発現機構をXRDおよび水和発熱速度により考察した。この結果、IMが高いほどC3Aの結晶が大きく成長し、C3Aの反応性が向上するとともに、このことに起因してC3Sの反応が促進され、低温環境の初期強度発現性が向上することを明らかにした。試製したセメントは、亜硝酸カルシウムを添加し粉末度を高めた早強セメントよりも優れる初期強度発現性を有することを確認した。