鉱物組成を調整した低温焼成型セメントを使用したコンクリートの強度と発熱性状について検討した。圧縮強度の結果は、普通強度配合の場合は材齢3日まで、高強度配合の場合は材齢28日までOPCと同等の強度発現性を示した。これはC4AFの増量によりカルシウムアルミネート系の水和物が増加したため、それが材齢初期における強度発現に寄与したと考えられる。一方、断熱温度上昇量はOPCに比べて低い値を示した。その要因は、OPCに比べて発熱の大きいC3Aが少なく、増量させたC4AFは発熱量が比較的小さいためであると推察される。