茶業研究報告
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直がけ被覆における遮光率の違いが一番茶新芽内化学成分に及ぼす影響
松永 明子佐野 智人廣野 祐平堀江 秀樹
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キーワード: 被覆, 遮光, 化学成分, 新芽,
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2016 年 2016 巻 122 号 p. 1-7

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抄録

被覆における遮光率の違いが新芽内の化学成分に及ぼす影響について,異なる遮光率の資材を一番茶芽に直がけ被覆し,経時的に新芽の調査を行った。その結果,新芽の形質,カテキン類,カフェイン,テオガリン,アミノ酸の含有量は被覆による影響が認められた。被覆後の新芽の生育量は遮光率が高いほど少なかった。エピガロカテキン(EGC)は被覆により遮光率が高いほど含有量が少なくなり,被覆日数の経過とともに露地区と各被覆区の含有量の差は拡大し,被覆の影響を強く反映していた。テオガリンは75%以上の遮光により含有量が露地区より多くなったが,芽の硬化に従い露地区,被覆区ともに含有量が減少した。アミノ酸は被覆の影響が顕著に現れる時期が個々のアミノ酸により異なり,茶に多く含まれるテアニン(Thea)は被覆後20日には75%以上の遮光で含有量が露地区より多くなった。

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© 2016 日本茶業学会
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