茶業研究報告
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最新号
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新会長挨拶
報文
  • 高橋 淳, 中島 健太
    2020 年 2020 巻 129 号 p. 3-10
    発行日: 2020/06/30
    公開日: 2022/07/01
    ジャーナル フリー

    裂傷型凍害の発生に及ぼす氷点下の低温程度,低温遭遇回数,土壌水分,枝条採取時期を詳しく解明するため,徒長枝を用いた人為低温処理実験と障害発生現地茶園での気象観測を行った。枝条の裂傷発生は,温度が低いほど,低温遭遇回数が多くなるほど増加した。軽度な低温でも遭遇回数が多くなると裂傷が生じた。また,裂傷部位への水分供給に関係して土壌水分が多いほど裂傷が多く,土壌水分が少ないと温度が低くても裂傷が生じなかった。枝条採取時期が遅くなると裂傷は減少し,樹体の低温馴化によると考えられた。樹体の低温による影響を評価する手法として,障害を受けた地際部組織からの電解質の漏出を測定して評価できる可能性が示唆された。また,本障害が甚大であった現地茶園では,初冬期の最高気温が高いわりに最低気温が低く,低温出現回数も多く,土壌含水率も高く,室内実験の結果と良く一致した。本試験の結果,裂傷型凍害の発生は,低温とその遭遇回数及び土壌含水率が主要因であることが明らかになった。

  • 児﨑 章憲, 山本 昭洋, 佐伯 雄一
    2020 年 2020 巻 129 号 p. 11-18
    発行日: 2020/06/30
    公開日: 2022/07/01
    ジャーナル フリー

    2015年に関西地区で行われた品評会の出品茶119点の煎茶のうち上位,中位,下位の各10点ずつ合計30点を選び,茶葉中のアミノ酸,カテキン類,テオガリン,没食子酸およびカフェインを調べた。アミノ酸では,上位茶のテアニン,グルタミン酸およびアルギニン含有量が有意に高かった。カテキン類では,エピカテキンガレートは上位茶で有意に高く,エピガロカテキンガレートは,下位から上位につれ高まる傾向であった。また,上位茶と中位茶のテオガリンが有意に高かった。上記の成分は,主成分分析においても品評会における評価への関与が高く,重要な成分であると考えられた。

  • 児﨑 章憲, 山本 昭洋, 佐伯 雄一
    2020 年 2020 巻 129 号 p. 19-26
    発行日: 2020/06/30
    公開日: 2022/07/01
    ジャーナル フリー

    品評会出品茶における茶品質と無機元素含有量の関係を検討するために,2015年に関西地区で行われた品評会の出品茶119点の煎茶から,その評価を基に上位,中位,下位の各10点ずつ合計30点を選び,解析を行った。解析の結果,上位茶と中位茶のN含有量が,下位茶と比べ有意に高かった。微量元素の中では,Zn含有量が上位茶と中位茶で有意に高かった。無機元素含有量と品評会の審査項目である,外観,香気,水色,滋味の4項目との関係を解析したところ,いずれの項目および総合評点において,NとZnは正の相関,Alとは負の相関関係が認められた。さらに,主成分分析による解析結果からも品質への寄与が高い元素は,NとZnであった。また,上位茶と下位茶の茶葉中のNとZn含有量には,正の相関 (r = 0.793) が認められた。これらのことから,茶の品質には,従来から知られているテアニンやN以外にも微量元素,特にZnが関与していることが明らかとなった。

短報
  • 亀山 阿由子
    2020 年 2020 巻 129 号 p. 27-31
    発行日: 2020/06/30
    公開日: 2022/07/01
    ジャーナル フリー

    マルチスペクトルカメラ搭載ドローンで撮影した茶園空撮画像から,収量を推定することを目指し,一番茶生育時期にほ場や撮影日などが異なる7つの調査を設定し,空撮と収量調査を行った。空撮データから植生指数NDVIを算出し,一番茶収量との相関関係を解析したところ,寄与率R2は0.61~0.97であり,高い相関関係が認められた。一方,他の植生指数であるGNDVIと収量との関係は寄与率R2が0.002~0.91と相関が認められないものも多かったが,NDREでは 寄与率R2が0.65~0.99で,NDVIと同程度の高い相関関係が認められた。また,NDVIとNDREは,回帰直線と実際のデータの誤差を示した平均平方二乗誤差も,40kg/10a以下であった。以上のことから,空撮により得られた植生指数により,収量を推定できる可能性が示唆されたが,調査回ごとに回帰直線は異なったことため,積算気温等の別の説明変数を加えた異なる観測条件下での補正が今後の課題である。

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