茶業研究報告
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チャハダニの生態学的研究 (第3報)
凍霜害後のチャハダニの生息密度について
刑部 勝
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1957 年 1957 巻 10 号 p. 32-34

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抄録

1.茶葉が凍霜害を被つた1953年と,凍霜害を受けなかつた1952年とにおけるチャハタニの生息密度の比較を行つた。
2.1952年は凍霜害は皆無であつたが,1953年には4月13,15,17,18,24,25日の6回降霜があり,調査園に多大の被害を生じた。
3.チャハダニの生息密度は,4月中は両年間に大差なかつたが,1953年の新葉には1952年より署しく多くのダニが寄生し,摘採以降の成葉でも高い密度を維持した。
4.1953年の新葉にはチャハダニの成虫が早く移動し,そのため成虫,卵ともに1952年の新葉への寄生数よりも著しく多かつた。
5.凍霜害後のチャハダニ防除対策の一つとしてダニのstageについて考察した。
この報告の一部は1954年3月の茶業技術研究発表会において,"晩霜後のアカダニ観察の一知見"として発表した。

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