1968 年 1968 巻 29 号 p. 62-68
茶芽のポリフェノールオキシダーゼ活性を測定し,熟度・葉位・茶期・年度・品種による変異を調べた。また,らいかい紅茶の品質との関係についても考察した。その結果,熟度による変化は品種によりいくぶん異なるが,後期になるとアセトンパウダーあたりの活性は低く,Nあたりの比活性は高くなる傾向があった。しかし,出開度50%程度までの変化はゆるやかであった。
葉位別では1葉が高く,葉位とともに順次低下したが茎の活性は高かった。Nあたりの比活性は3葉までは順次高くなったが,4葉になると低下した。しかし,茎はきわめて高い比活性を示した。
茶期間の差は二番茶が最も高く,一・三番茶は低かったが,比活性では春芽と夏芽との差は明らかで夏芽が高かった。
品種間差は明らかで,ANAN1671,はつもみじは活性の低い品種であり,いんど,べにかおり,べにほまれは常に高い水準にあった。また,年度による差も認められたが,品種による活性の強さの順位には大きな変動はなかった。
らいかい紅茶の品質との関係は,一・二・三番茶をこみにした場合に相関関係が認められた。