茶業研究報告
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チャの新芽に発現するアントシアンの幼成木間の相関
安間 舜
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1977 年 1977 巻 45 号 p. 13-16

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抄録

煎茶用品種の早期選抜に資するため,本ぽ定植前の交配実生の新芽に出現するアントシアンと,その個体が成木になった時の新芽に出現するアントシアンの程度との関係を検討した。
その結果11の煎茶用交配組合せの幼成木間の表現型相関はすべて有意であった。11組合せの相関係数の算術平均は0.409であった。これらの相関係数は当初期待していたほど高くはなかった。しかし今後調査法を改良し各個体の笛1葉が現わすアントシアンの発現程度を正確に評価すればこの相関関係はかなり高めることができると思われるので,そうなれば新葉の色による煎茶用品種の初期選抜は極めて有効な選抜法となり得る。
なお幼木期の新芽のほうがアントシアンが濃く発現するとか,逆に成木期の新芽のほうが濃く出現するというような傾向があるかどうかを検討したがそのような傾向は認められなかった。

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