原料抹茶の保存条件の違いによる品質への影響を試験した。
1) クロロフィル類含量では,Chla含量が最も強く温度・期間の影響を受けた。1週目より12週目までは期間が長くなる程減少し,その傾向は温度が高くなるほど著しかった。12週目以降はあまり変化が見られなかった。
2) 総ビタミンC含量は,37℃保存では1週目より減少したが,8週目以降はその変化は小さかった。他の温度区では16週目以降ゆるやかに減少した。
3) 残存酸素量は,-70℃保存では変化がなかったが,他の温度区では温度が高くなる程,期間が長くなる程急激に減少した。特に,25℃及び37℃保存区では12週目で数%以下にまで減少していた。
4) 表面測色値は,-70℃・4℃保存において影響は見られなかった。37℃保存では1週目より16週目まで顕著な緑色の減少が見られた。
5) 官能検査では,-70℃保存での影響は見られなかった。4℃,25℃保存でも商品特
徴を維持していた。37℃保存において4週目以降商品として使用できないまで変質が進行した。
6) 原料抹茶の保存は25℃以下で24週間商品特徴を維持した。37℃保存では,3~4週間が使用限界であった。