茶業研究報告
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煎茶の微生物環境3
火入れ工程での微生物動態
沢村 信一大屋 隆弘加藤 一郎伊藤(中野) 恵利
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2004 年 2004 巻 97 号 p. 9-16

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抄録

煎茶葉の微生物数を再製工場の火入機前後で測定した。
1) 熱風型火入機と回転ドラム火入機では,積算温度(殺菌に必要な温度×時間)が大きく異なった。
2) 火入れ後の茶葉における大腸菌群は,1検体が推定試験で陽性であったが,確定試験ではすべて陰性となった。
3) 火入れ後の茶葉における真菌数は激減し,多くの検体で「0」CFU/g,あるいはそれに近い値となった。
4) 火入れ後の茶葉における耐熱性菌数は,減少したか判定できなかった。
5) 火入れ後の茶葉における一般生菌数の対数値は,積算温度と良い相関を示した。
相関は,熱風型火入機>回転ドラム火入機2>回転ドラム火入機1の順に相関が弱くなった。
6) 火入れ時に茶温を測定することにより,積算温度あるいは最高温度を指標として火入れ後の微生物数をコントロールできると考えられる。

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