抄録
揉捻工程中における茶葉の電気インピーダンスの周波数軌跡から,揉捻工程中における茶葉の細胞内外の抵抗と細胞膜・壁の静電容量を調べた。
細胞外抵抗の減少は,茶葉表面からの水分蒸発の影響よりも,揉捻により細胞内液が細胞外へ押出される影響を受けた結果であると考えられた。また,揉捻工程が進むと細胞内抵抗と細胞外抵抗が等しくなることは,細胞内外において水分状態の均一化が進むものと考えられた。揉捻工程において,細胞膜・壁の静電容量の減少は組織的な構造の変化が進んだ結果であることが推察された。ただし,これらの挙動は原料生葉の影響を受けた。