CHEMOTHERAPY
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呼吸器感染症に対するCefmetazole (CS-1170) とCefazolinの二重盲検法による薬効比較試験成績
塩田 憲三他
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1979 年 27 巻 4 号 p. 581-651

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抄録

呼吸器感染症に対するCefmetazole (CS-1170) とCefazolin (以下CEZと略す) の治療効果と副作用を比較検討することを目的として, 全国38施設において, 慢性呼吸器感染症あるいは呼吸器疾患に合併した急性呼吸器感染症患者にCS-1170あるいはCEZそれぞれ1回2g宛, 1日2回, 14日間点滴静注を行ない, 治療効果, 副作用, 有用性の両薬剤群間での比較を二重盲検法により実施した結果, 以下の結論を得た。
1. 呼吸器感染症に対するCS-11701日4gの治療効果は, CEZ1日4gの治療効果よりすぐれ, 両薬剤群間に有意差が認められる。
2.肺炎・肺化膿症では治療開始3日後の体温と14日後の喀痰量の改善度がCEZ投与群よりCS-1170投与群においてすぐれ, また肺炎・肺化膿症以外の呼吸器感染症では治療開始3日後の咳漱の改善度がCEZ投与群よりCS-1170投与群ですぐれ, それぞれ有意差が認められる。
3. 副作用の出現頻度には, 両薬剤群間で有意差が認められない。
4. CS-1170の有用性はCEZの有用性よりすぐれ, 両薬剤群間に有意差が認められる。

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© 社団法人日本化学療法学会
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