CHEMOTHERAPY
Online ISSN : 1884-5894
Print ISSN : 0009-3165
ISSN-L : 0009-3165
腎機能障害時におけるCefotiamの血中および排泄動態に関する研究
大川 光央岡所 明平野 章治田谷 正黒田 恭一
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 27 巻 4 号 p. 712-719

詳細
抄録

cefotiam (CTM) は, 新しい合成セファロスポリン系抗生剤であるが, 本剤500mgを種々の程度の腎機能を有する11例に筋注した際の血中および尿中濃度を測定し, 薬動力学的解析はonecompartment open modelに従った。なお腎機能の指標としては, 24時間内因性クレアチニンクリアランスを用いた。その結果, 以下の結論を得た。1) 血中濃度は腎機能の低下に伴い上昇した。2) 腎機能正常者の血中濃度半減期は平均1.0時間と計算され, 腎機能の低下に伴い延長した。3) 腎機能正常者の筋注後6時間までの累積尿中回収率は平均44.8%で, 腎機能の低下に伴い減少した。4) 腎機能と分布容積との間には有意の相関関係が認められた。5) 腎機能と血清クリアランスとの間には有意の相関関係が認められた。

著者関連情報
© 社団法人日本化学療法学会
前の記事
feedback
Top